交流・体験等

【子ども食堂、交流・体験等、学習支援】だんらんこども自習塾/団欒こども食堂

居場所の基本情報

  • 開催場所:豊中市蛍池西町1-3-32
  • 開催日時:【学習支援】毎月第一土曜日/【子ども食堂】第三土曜日
  • 参加費:【学習支援】無料/【子ども食堂】大人300円・子ども100円
  • 参加受付方法:【学習支援】当日(申し込み不要)/【子ども食堂】事前申込み
  • 対象者:【学習支援】小学校高学年~高校生/【子ども食堂】どなたでも

ひとことメッセージ

毎月第一土曜日の学習支援では、夕飯も無償提供しています。阪大生や社会人ボランティアさんが宿題をサポートします。アナログゲームや交流を楽しむだけでもOK!ここに集まるボランティアさん、子どもたち、みんなが自分の得意なことを活かせるよう、やりたいことは全力で応援します!

運営団体

  • 団欒長屋プロジェクト

外部リンク

アクセス

  • 電話番号:06-6836-9011
  • メールアドレス:danran.nagaya@gmail.com
  • 担当者:渕上桃子

訪問レポート(2020年11月)

多世代&地域交流で、多様な価値観に触れる

いこっとのWEB制作担当兼ライターの寺戸(てらど)です。

今回は、蛍池を拠点に活動されている団欒長屋プロジェクトの代表である渕上さんにお話しを伺ってきました。

イベント「ロックスフォーチル」でのこども記者企画、「ギタスナフェス」への団欒キッズバンドとしての参加など、地域イベント等に積極的に参加されている印象のある団欒長屋さん。

多世代交流や地域交流を大事にされている背景について、詳しく伺ってきました。団欒長屋さんの活動に通底していたのは、「人と比べなくていい。自分にとって楽しいもの、居心地のいいものを見つけてほしい」という子どもたちへの想いでした。

多世代交流で、子どもたちにいろんな価値観に触れてほしい

てらど
てらど
まず簡単に事業内容を教えていただけますでしょうか?
渕上さん
渕上さん
乳幼児の保育がメインとなりますが、子ども食堂(団欒こども食堂)と、今年の9月から小学校高学年以降の子たちに向けた学習支援をはじめました。その他に、おうちに伺い、家事サポートや育児相談等をする「ホームサポーター事業」も実施しています。
てらど
てらど
すごい…幅広く事業を展開されているんですね。

団欒長屋さんはいろんなイベントで目にしたり、話に伺っていたので地域交流を大事にされている印象がありますが、どういった理由からなんですか?

渕上さん
渕上さん
団欒長屋は子どもを中心とした多世代交流を大事にしています。「閉じた施設」ではダメだと思っていて。蛍池を含め、豊中の北部は核家族が多く、地縁のないところで子育てしていくことに不安を抱えているお母さんたちが多いんです。私自身もその一人で、子どもにいろんな価値観に触れさせてあげたい、地域とゆるくつながっていける場所があれば、と思っていました。
てらど
てらど
僕自身が豊中市北部に住んでいるのですが、確かに地域交流はあまりないですね。。

今回、学習支援をはじめられた理由は何かあるんでしょうか。

渕上さん
渕上さん
団欒長屋に食材が集まるようになってきたんですが、子ども食堂というのは従来、小さい子たちが一緒に食べる場所です。塾に通いだしたり、部活などで忙しくなるローティーンの子たち、両親が働いていて孤食だったりする子たちの居場所としてはじめました。
てらど
てらど
確かに、中学生近くになると子どもたち自身もすごく忙しくなる印象があります。この前、「夢を探している時間もない」と話していた高校生の言葉を聞いて、胸に刺さりました。
渕上さん
渕上さん
塾だと勉強の話、家に帰ってもSNSで誰かと繋がっている。【何もしないところ】も必要なんじゃないかと思っています。大学生の方が学習支援のボランティアに来てくださっていて、勉強もしますが、Youtubeを観たり、他の学校の子たちと交流したり、そういうぼーっとできる時間を過ごしています。
てらど
てらど
何もしなくていい空間、というのが支援になる時代なのかもしれませんね。
丁寧に言葉を選びながら、お話しくださったのが印象的でした。

地域交流のための「だんらんしんぶん」

渕上さん
渕上さん
最初は実績もなにもないですし、ただ地域の家をかりて、学童保育をやっているだけ。地域の方たちも「「何をしている場所だろう」と遠巻きに見ているような状況でした。
てらど
てらど
地域交流といっても、なかなか簡単にはいかないのでは…と思っているのですが、そんな状況の中、渕上さんはどのように地域の輪を広げていかれたんでしょうか。
渕上さん
渕上さん
「だんらんしんぶん」ですね。助成金を得て、地域のフリーペーパーを作ったんです。取材から製本まで、すべて子どもたちが実施します。「取材で伺う」とすることで、地域に入りやすくなります。「だんらんしんぶん」が完成したら地域に届ける、そういう形で交流が広がっていきました。
てらど
てらど
確かに、いきなり「交流してください」と言っても、地域側の方もどうすればいいかわからないかもしれません。そこに「だんらんしんぶん」という媒介があることで、スムーズにコミュニケーションができていったんですね。すごいアイデアですね…!
渕上さん
渕上さん
新聞を作るのは誰でもできること。特別なノウハウではないので、色々なところで実施していただけたらな、と思っています。
「家」の雰囲気そのもので、居てるだけで、落ち着きました。

活動の原動力は「子どもたち」

てらど
てらど
これだけ幅広く事業をされていますが、そのアイデアの源泉はどこにあるんですか?
渕上さん
渕上さん
原動力はやっぱり「子ども」です。子どもに突き動かされています。

こういう子どもがいるから、こういう居場所を作ろう、そんな風に事業が増えていきました。

元々、自分の子育てから発進しましたが、その考えに共感してくださった方が集まってきてくれました。

てらど
てらど
長く続けていくことも大変じゃないかと思いますが、意識しておられることなどはありますか?
渕上さん
渕上さん
フルスロットルだと持たないのでしっかり休むこと、じゃないでしょうか。人の手を借りたり、自分なりのリラックスできる方法を持っておくことも大事だと思います。
そこにいる「子どもたち」から生まれた事業たち

「子どもの居場所」を始められる方へ

てらど
てらど
最後に、これから子どもの居場所を事業として始めようと思っておられる方にメッセージをいただけますか。
渕上さん
渕上さん
そうですね。最初の旗をしっかり立てること、じゃないでしょうか。
てらど
てらど
旗、ですか?
渕上さん
渕上さん
はい。最初のコンセプトがしっかりしていたら、人も集まりますし、当初と違う方向に向かってしまっている…そんなときも原点に戻ることができます。

どういう子どもたちに集まってほしいか、どういう風に成長してほしいか…そこをまず固めてほしいと思います。

てらど
てらど
なるほど、しっかり旗=コンセプトを立てることで、共感する人が集まってくるし、運営自体もそれと同じ旗に従っていくことで、推進力が生まれるんですね!
渕上さん
渕上さん
ただ、壮大な旗を立てても、歩みは着実に、ゆっくりとしか進みません。その歩みの原動力となっているのも、やっぱり子どもたち、ですね。
地域にこんな場所が一つあれば、大人も子供も、ほっと一息できますよね。

まとめ

団欒長屋さんは、多世代&地域交流を大事にされている団体さんでした。今、ブームになりつつある「多世代交流型の居場所」ではありますが、本質的な価値を理解できている場所は多くないのかもしれません。

参加されているボランティアさんたちに関しても、渕上さんはこのように話されています。

「団欒長屋を使って、自分が活躍できる何かを見つけてくれたらと思っています。GiveとTakeがあるだけじゃなく、ここに関わる大人自身も、自己実現していく。そんな姿を見て、子どもたちにも、誰にだって、誰かの役に立つ何かがあるって思ってほしいです。」

「中高生は何者かになれると思っているし、反対に自分は何者でもないかもしれないって焦りや恐怖も感じています。別に大きなことを成し遂げなくていい、楽しいと思えることがあればいい。人と比べなくていいように、自分の居心地がいいものを知ってほしいと思い、イベントなどに参加し、機会を提供しています。」

現代社会ではインターネットの発展によって、いろんな情報が得られますし、誰かと自分を比較することも多いのではないでしょうか。ただ、様々な価値観に触れることで、自分が自分でいてもいいんだ、そんな風に思えるのかもしれません。そのために多世代交流を実践されている団欒長屋さんが、とても印象的でした。

渕上さん、お忙しい中、ありがとうございました!

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