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【訪問レポート】走学校

訪問レポート(2022年9月)

「走る」を通じて作る、親子の居場所

いこっとのWEB制作担当兼ライターの寺戸(てらど)です。

今回は、豊中市立第十四中学校を中心に、「陸上競技」を通して主に特別支援学校に通うお子さんの居場所づくりをしている走学校~Moon shine~の代表Mさんを訪ねました。

なぜ陸上を中心の居場所づくりをしているのか、今後の展望について、子どもたちの練習を一緒に見守りながらお話を伺いました。

※特別支援学校とは:心身に障害のある児童・生徒が通う学校で、幼稚部・小学部・中学部・高等部があります。

親御さんが見守る中、懸命に練習を続ける子どもたち

陸上を通じた交流を作る

てらど
てらど
本日はよろしくお願いします。まずは活動内容について教えていただけますか?
代表Mさん
代表Mさん
月に4~5回、第十四中学校を中心にして19:00から練習をしています。夜間帯に練習しているいうこと、暖かい居場所にしたいということで、走学校という名前には「ムーンシャイン」という副題もつけています。
てらど
てらど
走学校を始められたのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか?
代表Mさん
代表Mさん
元々は「ジョイスター」といって、支援学校の中等部、高等部の在校生が土曜日に陸上を練習していました。

ただ、卒業生が参加できる場所がないね、という話になったんです。平日や卒業後の居場所がないということは、もちろん運動不足にもなるし、地元の繋がりも無くなってしまいます。

子どもたち同士で連絡を取り合うこともないので、「同じチームとしてずっと一緒にいたい」という想いから、走学校を作ることにしました

卒業後もつながりを、途切れさせない

てらど
てらど
陸上を教えているのは、どういった方々なんでしょうか?
代表Mさん
代表Mさん
支援学校の教員さんが、コーチをしてくれています。本当にいい先生ばかりで、子どもたちも先生を信頼しています。
てらど
てらど
とても良い関係性が築かれていること、練習風景を見ていてもわかります。
Mさんも陸上をやってらしたんでしょうか?
代表Mさん
代表Mさん
いえ、よくそう言われるのですが(笑)。私は娘が十四中の陸上競技部だったということがきっかけです。
てらど
てらど
子どもたちも、とても熱心に取り組んでいますね。何か一つ、打ち込めることがあるというのは、非常に大事だと思います。
代表Mさん
代表Mさん
うちの娘も陸上用語についてはよく知っています。
また、走ること自体もそうですが、娘は脳性マヒもあるので、脳への刺激もあり発達に良い影響があると思います。

あと「グラウンドまで一人で来ること」も、自立活動の一環になっているんですよね。
大体は、親御さんが迎えに来られるのですが、お子さんを預けてもらうということは親御さんとの信頼関係も必要になってきます。

てらど
てらど
親御さんにとっては、信頼できる場所に子どもを預けられるという安心できますし、練習している間は少しホッとできる時間なのではないでしょうか。

「走る」を通じて、子どもたちの世界を広げたい。

てらど
てらど
今後の展望について教えていただけますか。
代表Mさん
代表Mさん
今後は、卒業生はもちろん、卒業生以外にも公募もかけていきたいと思っています。

また、「走学校」を続けることで、お母さんたちの繋がりにもなっているのですが、子どもたちが学校を卒業してしまうと、お母さんたちの繋がりもきれてしまう。大人になっても来られるように、せめて娘が20歳になるまでは続けたいと思っています。

子どもたちは練習を重ねて、大阪府のスポーツフェスタや記録会などに出場しています。将来的には合宿や遠征などにも行きたいです。そうすることで、子どもたちの世界が広がっていくのではないかと思っています。

てらど
てらど
最後に、これから居場所を始められる方に、メッセージをいただけますか?
代表Mさん
代表Mさん
「仲間を増やすこと」でしょうか。そして、主催者側も仲間と一緒に楽しむことだと思います。

地道な作業もあるとは思いますが、コツコツ続けていくことも大事かと思います。

まとめ

これまで学習や遊びを通じての居場所は多く取材してきましたが、「陸上」などのスポーツを通じても、親子の居場所を作っていけるのだなと学びにまりました。何より、子どもたちが一所懸命に練習に打ち込む姿には心を打たれました。

練習を支える先生方、見守る保護者の皆様と本当に「ムーンシャイン」の名前の通り、暖かい時間が流れていました。

代表Mさん、貴重な練習時間中にインタビューに答えてくださってありがとうございました!

器具を使っての基礎トレーニングも。みんな掛け声を出しながら一所懸命でした。