はじめに
いこっとWebライターの谷川です。
今回は「楽習(がくしゅう)@ガラクタハウス」を運営している園崎さんを訪問しました。
大きなお家を活用した居場所の運営。学習支援のほか、流しそうめんやたこ焼きパーティーなどもしているそうです。運営の概要や、今後の展望を伺ってきました。
関わるみんなで、支え、楽しむ居場所
谷川
今日はよろしくお願いいたします。まずは立ち上げのきっかけを教えてください。
園崎さん
子どもや女性の権利擁護の活動をする国際NGOに参加していた経験があります。その関係もあり「とよなか国際交流協会」の子どもの学習広場 学楽多(がらくた)でボランティアをしていました。
ただ、コロナが流行したことで学楽多(がらくた)の学習支援の事業がストップしてしまいました。そこで、子どもたちのためにも新たな居場所をつくれないかと考え、立ち上げたのが楽習@ガラクタハウスです。
谷川
今来ている子どもやボランティアは、どのような方々でしょうか?
園崎さん
子どもは小学生から高校生まで幅広く、以前の学楽多(がらくた)に来てくれていた20歳の子や、当時からのつながりのボランティアさんもいます。今は新しく参加されるボランティアさんも増えています。
この居場所への行くのを忘れたりしてしまう小学生は、高校生が迎えに行ってくれるんです。そうすると一緒に来れるようになりますし、居場所の場でも年上の子どもが自然と年下の子どもを見守ってくれるような構造になっています。
谷川
幅広い世代の中でそのような支え合う関わりがあると、学習以外でも学べることが多いように感じます。居場所では具体的にどのような活動をされていますか?
園崎さん
学習支援の目的で立ち上げたのですが、学習を前面に出すと居場所に来にくくなってしまう子もいるのでバランスを取りながら運営しています。1階、2階と部屋があるので、1階では勉強をして、2階ではゲームや作業をして・・・など、取り組み内容を分けて運営しています。
谷川
(園崎さんに居場所の写真を見せていただき)たこ焼きパーティーもされたんですか?
園崎さん
クリスマスにはたこ焼きパーティー、節分には恵方巻も作りました。たこ焼きパーティーでは、普段めんどくさがり屋の子どもが積極的に作ったりするので、おもしろいですね。
他には水族館に遠足に行ったり、今は来月に展示される作品作りのために、みんなで頑張っています。
谷川
楽しそうなことがいっぱいですね!そういったイベントは、運営者のみなさんで計画的に決めておられるのでしょうか?
園崎さん
計画的にではないですが、ボランティアさん同士でアイディアを出し合いながら次はこんなことをしてみよう!と実践しています。ボランティアさんの夫さんがエンジニアの方で、夏に竹を使って流しそうめん台を作ってくださってとっても盛り上がりました。
また、毎回必ずLINEで親御さんに写真を送りその日の様子を共有しています。
※とよなか国際交流協会:地域の国際化を促進し、新しい地域文化の創造と平和で平等な地域社会づくりに寄与することを目的に設立された協会。
こちらは子どもが描いてくれたものだそうです!お皿にもたこ焼きがいますね^^
自分たち以外の居場所にも、繋ぐ
谷川
居場所運営をする中で、難しい場面などはありますでしょうか?
園崎さん
やはり不登校の子どもなど、ニーズが高い子どもにももっと来てほしいなと思っています。近隣の小学校の校長先生と連携して、ガラクタハウスに来ることになった子どももいますが、まだまだだと思っています。
「こういった居場所があるよ」と子どもに情報が行き届くように、来年度は居場所の運営も少し変化させてみようと計画中です。
谷川
他の居場所につなげるなどもされていると伺っています。
園崎さん
すべての子どもがガラクタハウスに合うわけではないので、そういう時は近隣の他の居場所につなげることもしています。また、この場所自体も運営をしていない日時もあるので、もし子どもの居場所関連で使いたいという方がいらっしゃったら、場所を提供したりと協力できればと思っています。
今年度から、毎月第二日曜日10:00〜14:00に「あどびば@ガラクタハウス」というのを始めました。子ども食堂&居場所的な活動です。一緒に工作したり、ご飯を食べたり、遊んだりします。固定のメンバーではなく、毎回申込み制にしたり、ガレージセールを開催するなどして、居場所を必要としている子どもやその保護者にガラクタハウスのことを知ってもらえるようにしていきたいと思っています。
目の前の公園。この公園で1人で遊んでいる子どもなども気にかけているそうです。
今後居場所を始めようと思っている方へ
園崎さん
想いのある人が、何かあったら責任をとります、と腹をくくることですね。それを言うことで、協力してくれる人は自然と集まると思います。人が集まっても何か不安がある場合は、不安を解消できるようにしています。
谷川
こちらでは当初、集まった方々にどのような不安があったのでしょうか?
園崎さん
例えば「子どもに何かあったらどうするのか」ということを不安に感じる人がいました。その時はつながりのある弁護士さんをお招きして、居場所運営をする中でどのようなリスクがあるのか、もし何かあった際はどうするのか等、勉強会を実施しました。
そういった勉強を踏まえて大人はボランティア保険、子どもは塾保険に加入する、気になることがあるときは共有できるようにするなど、環境を整えています。
ぬいぐるみを使って、子どもたちのコミュニケーションの楽しさを感じてもらえるような工夫もされているそうです。
まとめ
「行き場をなくした子どもたちとのつながりを、再開させたい」という力強い言葉と、「やるなら楽しいことがしたい!」と、にこやかに話されている園崎さんが、とても印象的でした。
何か壁にぶつかっても、調べたり、人とつながって協力者を増やしたり、運営するにあたってとてもヒントになることを教えていただきました。
園崎さん、お忙しい中本当にありがとうございました!
ロータリークラブ主催「みんなの水族館」に、子どもたちが制作した色鮮やかな作品が出展されました!