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【訪問レポート】もふもふ食卓

訪問レポート(2023年3月)

「食堂」ではなく、もふもふ「食卓」と名乗る理由

いこっとのWEB制作担当兼ライターの寺戸(てらど)です。

今回は、豊中団地内にある集会室で、月に1回「もふもふ食卓」を開催されている森島さんにお話を伺いました。

現在大学生でもありながら、「いこっと」では学生ボランティアのコーディネートをされていたり、その他にも色々なボランティア活動に携わっておられます。

なぜ、ボランティア活動を始めようと思ったのか、また「もふもふ食卓」を続けていく中で感じていることを伺いました。

取材当日は13回目のもふもふ食卓開催。多くの人で賑わっていました。

ボランティア活動のきっかけは、高校時代のサークル

寺戸
寺戸
森島さんは「いこっと」でも学生ボランティアの皆さんのコーディネートをしたり、そのほかにも様々な地域に関わる活動もされていますね。

「なぜ、ボランティア活動に参加するようになったのか」を聞かせてもらえますか?

森島さん
森島さん
出身高校では、自由にサークルを作ることができたんです。友達と「歴史に名を残そう」ということで(笑)、ボランティアサークルを立ち上げたのが始まりです。
寺戸
寺戸
偶然に始まった、という感じなのですね。
森島さん
森島さん
そうですね。顧問の先生も活動を後押してくださって、色々な場所と繋げてくださったり、自分たちでも色々な場所を探しながら活動していました。

ちょうどその頃「子ども食堂」が広がっている時期で、ネットで検索して色々な子ども食堂を訪れていいました。大学生になり、地元豊中で活動を探す中、「いこっと」事務局の方に出会いました

寺戸
寺戸
サークルとして活動を始めたのは偶然とはいえ、その行動力はすごいなぁと思います。そうしたボランティア活動を経て、ご自身で「もふもふ食卓」を始められたきっかけはあったんでしょうか?
森島さん
森島さん
何かきっかけがあったわけではないですが、「いこっと」を通じて活動をしていたり、「いこっと補助金」があることも大きいですが、とりあえず思いつきで始めてみました。
子どもたちが遊べるようなスペースとおもちゃも用意されています。

コロナ禍で途切れた絆を、結び直す

森島さん
森島さん
現在、子ども食堂を開催している集会場では、自治会が夏祭りやクリスマスなどを企画して、多くの人が集まっていました。近所だったので、このようなイベントには良く参加していました。

コロナ禍になり、そうしたイベントが中止になってしまって。集会場にも人がいなくなってしまったり、新しい人が引っ越してくることもあるのですが、この集会場があることすら知らない人もいました

寺戸
寺戸
人とのつながりは、住んでいる人の入れ替わりに加えて、コロナ禍で一度途切れてしまうと、なかなか元には戻らないんですね。
森島さん
森島さん
厨房も利用できるということで、思い切って始めてみました。この場所を使うことを自治会の皆さんも後押ししてくださっています。
寺戸
寺戸
周りの皆さんの応援があるのは心強いですね。それにしても、なぜ「食堂」ではなく、「食卓」とつけているのでしょうか?
森島さん
森島さん
ただ単に「ご飯を食べに来る」のではなく、「たくさんの人と食卓を囲い」に来てほしいと思ったからです。

子ども・親はもちろん、スタッフ、地域の方も含めた老若男女が、家のちゃぶ台のような「1つの食卓」を通してつながってほしいという思いからつけました。コロナの影響で相席はまだ難しい現状ですが、今後は地域の中で皆さんが繋がれる場所を目指していきたいです。

寺戸
寺戸
ご飯を食べるだけではなく、食卓を囲んで団欒してほしい、そんな想いが込められているんですね。
提供する食事はボランティアの方々と一緒に作っています。

今後は食堂以外の活動も、子どもたちの「楽しみ」が原動力

寺戸
寺戸
今後の展望があれば、教えてください。
森島さん
森島さん
夏に一度だけ花火をやってみたのと、「いこっとサポーター」の方にきてもらい、折り紙教室をやってもらったこともあります。運営にもだんだん慣れてきたので、食事の提供以外に何かプラスしてイベントなどができたらと思います。
寺戸
寺戸
最後にこれからボランティアを始めたい学生さん、また居場所運営者の皆さんにメッセージをいただけますか?
森島さん
森島さん
ボランティアについては「とりあえず行ってみてください」ということですかね。合うところ、合わないところがあるので。

僕自身色々なところに行ってみましたが、場所によって全然雰囲気が違うので。自分に合った場所で活動を続けることが大事だと思います。

寺戸
寺戸
森島さん自身がボランティア活動を続けてきた中で得たものはありますか?
森島さん
森島さん
得たことはいっぱいありますが、一番大きいのは、地域の大人の皆さんとたくさん出会えたことですかね。
寺戸
寺戸
確かに、普段は先生以外の大人と関わることってそんなに機会がないですよね。居場所運営を始める方についてはどうでしょうか?
森島さん
森島さん
居場所についても同様に、とりあえずやってみようと思ったら、まずやってみることがいいと思います。僕自身もたくさんの方にご協力をいただきながら、10ヶ月続けてこられました。

始めてみたら意外と大変で、当日受付なので何人くるかわからず、人数が多くて厨房でバタバタと作り足すこともあります。

寺戸
寺戸
バタバタと大変な状況もありながら、ここまで続けられた要因はありますか?
森島さん
森島さん
僕自身が楽しんでいることもあるし、「子どもが楽しみにしてくれている」のが大きいと思います。『次は◯日やんなぁ』と楽しみにしてくれています。

今後就職していくことになりますが、大阪にいる限りは活動は続けていきたいと思っています。豊中は離れたくないな…と思っています。

「食卓」で食事した後は、寄付品なども持ち帰られるようにしています。

まとめ

高校生の頃から、様々なボランティア活動を続けてこられた森島さん。自分より年上の大人のボランティアさんたちともうまく協働しながら活動されているのが印象的です。

「もふもふ食卓」の取り組みは、コロナ禍で途切れた絆を少しずつ取り戻しつつあります。

子どもたちが楽しみにしていることを原動力に、ご自身の地元豊中での活動を続けている森島さん。その若者の活動を支える地域や、周りの大人の存在も大事だなと感じました。

引き続き、「いこっと」では居場所を始めたい、ボランティアを始めたい、そんな人たちを応援していきます。

森島さん、お忙しい中取材に対応していただき、ありがとうございました!